テンポとリズムの性格　（つづき）

リズムとかテンポとか用語が独り歩きしますけれど、

他人とコミュニケーションを取る上では

共通の言葉が土台になります。

 

ということは、それを感じる感覚が共通になっていないといけない、ということでもあります。

その「感じる」ということでいうと、

音楽を聴いていて、どのようにリズムが流れているか

一緒にうたっていられるかどうか？

 

つまり、ドラムやベースなどと一緒になって、そのパートの音を一緒に

歌えるかどうか？

ということを考えてみてください。

 

ベースなどは音一つ一つの音程まではさすがに追えないと思いますけれど、どういうタイミングで音が出ているのか？

とういう形で出ているのか？

 

つまりは、ベースが４分音符で規則的に刻まれているのは

いわゆるスウィングというビートで、４ビートとも呼ばれます。

これがきちんとたどれて、どこが1拍目なのかがわかるだけでも

 

随分大変な集中力が要ります。

 

ボサノヴァならば付点4分音符と8分音符とのパターンなのですが、

これもずっとこのリズムが歌えるくらいまで聴いて下さい。

 

ある意味、「今日はこのＣＤをベーシストの気分で聴こう！」というような

試みが良いと思います。

 

 

同様に、ドラマーであれば、4ビートのシンバルのパターンは

ずっと同じに歌えるようにしてみてほしいですし、

8ビートのボサノヴァもどのようにスネア・ドラムのリム・ショット（※１）が

入るのか？その辺りを真似して欲しいものです。

 

よく若いひとたちが「ボイパ」って云いますけれど、

ヴォイス・パーカッション、つまりはマイクに手を被せて

こもらせることによって、声の破裂音などをパーカッションの

サウンドとして疑似的に表現していく、というヴォーカル技法です。

これはリズムを感じる上で真似をするのはとても意味がありますし、

どの楽器がどのような音をしていて、どのようなタイミングで鳴っているのか？

ということが掴めるようにならないとできない、と云う意味で、

リズム・フィールを理解する上で格好の練習になります。

 

ビートとかテンポとかいう言葉を理解する以上に、

その音楽そのものがどのように聴こえるのか？と云うことの方が

重要です。

 

先日もセッションで、いまだに皆さんが出て来て

「テンポ　104　です」とか普通におっしゃるので、

それはできればレッスンの際だけにしてほしいな、と願っております。

 

機械のテンポを出すのはセッションなどの現場ではかえって

嫌がられますから、是非、生きたテンポ感を身につけてほしいですし、

少々速かったり遅かったりしても歌えるようにトレーニングしていただけたら

とてもうれしく思っております。

 

音楽は生きた現場で歌われるものですので。

（と書いたものの、1月のカワイで行ったセッションでは

皆さんがとても歌が良かったことに大変に感銘を受けました。

一生懸命練習していらっしゃるなぁと思わされたものです！）

 

ボイス・パーカッションをやらなくとも、

我々の間でも、ドラマーやベーシストにパターンを説明するときに

わたしも拙い歌でうたってわかってもらうことが多々あります。

 

それこそ、小学生か！？って言われるような

「っずっずっちゃっちゃっ　っずっずっちゃっちゃっ」的な歌い回しです。

 

 

それがもっとも近道です。

 

そういうように歌だけでなく、音楽全部を聴いて覚えて行ってくださいね！

 

 

 

※１ドラマーが、いつも叩くスネアの皮ではなく、皮を締め上げている円形の枠（リムRim）をスティックで引っぱたいて出す歯切れの良い音、「カッ、カッ」という音がする。

 

 

 

 

四分音符を追って行くにしてもドラムやベースの動きを細かく聞こうとすると、かなりの集中力いりますね。

 

ボイパって言われるとハードル高そうですが、「っずっずっちゃちゃ」 で良ければ、できそうな気がします(^_^;)